この記事では海外FXのNDD方式(A-book)に関連して知っておくべき6つのポイントについて解説をしていきます。
・NDD方式のメリット
・NDD方式のデメリット
・NDD方式の見分け方
・NDD業者はオーダーをインターバンクに流しているか
・NDD方式で出金拒否がない理由
海外FXのNDD方式(A-book)とは?
FXの注文処理はNDD方式(A-book)とDD方式(B-book)に分かれます。
NDD方式とDD方式の違いや、NDD方式のメリット、デメリットをまずは見ていきましょう。
NDD方式(A-book)とDD方式(B-book)の違い
まずは簡単にFXのNDD方式とDD方式違いについて見ていきましょう。
ちなみに日本国内の主要なFX業者はDD方式を採用しています。
そして海外FXの場合はDD方式を採用しているブローカーと、NDD方式を採用しているブローカーに分かれます。
NDD方式(A-book)とは?
FXのNDD方式とは、イメージいうとこのような感じになります。
海外FX業者(ブローカー)はトレーダーの注文をインターバンクに流すという役割を担い、そこで発生する取引手数料がブローカーの利益になります。
そのため、トレーダーの勝ち負けとブローカーの利益は全く関係なく利益相反はありません。
DD方式(B-book)とは?
一方のDD方式とは、イメージでいうとこのようになります。
DD方式(B-Book)の場合はトレーダーVSブローカーの取引になるため、トレーダーが利益を出した場合は、ブローカーが損失を出すということになります。
つまり利益相反があるわけです。
NDD方式のメリット
NDD方式のメリットは透明性が高いトレード環境を利用できるというのが最大のメリットです。
トレーダーの注文をインターバンクに流すだけなので、ブローカーの利益はトレーダーの勝ち負けに全く影響を受けません。
そのため、DD方式に見られるような以下のような行為はありえません。
・利益分の出金を拒否する
・不正なレート操作をしてトレーダーを負けさせる
DMMFXやGMOクリック証券などのB-bookは、スキャルピングで利益を出せるようなトレーダーの口座を凍結することで有名です。

私も前はGMOやDMMFXを使っていたけど、スキャルピングをやっても口座凍結なんかされなかったけど・・・

葵ちゃんはスキャルピングをやって勝っていたの?

当然、負けてましたけど!

負けている人は口座凍結の心配はないよ。
だって負けてくれる人はB-bookにとってはいいお客さんだからね。
口座凍結されるのは利益をしっかりと出すようなトレーダーだけだよ。

でもなんでB-bookってスキャルピングや大ロットのトレードをガイドラインで禁止しているの?

優秀なシステムや上手なトレーダーが大ロットのスキャルピングをやった場合、わずかな時間で莫大な利益を上げる可能性もあるよね。
そうなってしまうとB-bookにとっては莫大な損失になるから、それを未然にガイドラインで抑止しているんだ。

その通りですね。
ガイドラインで禁止さえしていれば、もし万が一わずかな時間で莫大な利益を出されても、ガイドライン違反として正当な出金拒否ができますからね。

なるほどね~

現在はヘッジファンドや機関投資家がHFTなどのアルゴリズム取引で超短期間で利益を上げるというケースが多いので、B-bookにとってはガイドラインが命綱といえるでしょう。

DMMFXの店頭外国為替証拠金取引薬約款の第7条(禁止事項)には、取引ツールの利用やスキャルピング、過度な投機的取引などが禁止されていて、違反をすると口座凍結、出金拒否(約定無効)がはっきりと書かれているよ。

ちなみに、DMMFXやGMOがメタトレーダーではなく独自の取引プラットフォームを使う理由は、アルゴリズム取引を防止するためと言われているね。
NDD方式のデメリット
FXで勝っている人の割合はわずか5%と言われています。
つまり、ほとんどの人がFXで損失を出しているということが言えるのですが、DD方式の場合はトレーダーの損失がそのままブローカーの利益になるため、その利益は莫大になります。
そのためDD方式の場合はスプレッドを狭くしたり、ボーナスキャンペーンをする資金の余力があります。
ボーナスキャンペーンを期待できない
NDD方式の場合は、トレーダーの注文をインターバンクに流す際にもらえる取引手数料が唯一の利益となります。
そのためボーナスキャンペーンはほとんど開催されないというのがNDD方式のデメリットとなります。
スリッページ(滑り)
NDD方式の場合、トレーダーの出した注文はインターバンクの反対方向の注文とマッチングすることで注文が成立します。
そのためトレーダーが出したレートで注文が処理されるとは限らず、スリッページ(滑り)が発生することがあります。
この場合、105円に最も近いレートで注文が処理されるため、スリッページが発生します。
海外FXのNDD方式一覧
海外FXにはDD方式を採用しているブローカーもありますが、サーバーやリクイディティプロバイダー(金融機関)の拡充にこだわったNDD方式のブローカーもたくさんあります。
NDD方式の見分け方
最も分かりやすいのは公式サイトで、リクイディティプロバイダーのロゴなどを掲載しているブローカーに関してはNDDの環境が整っているということが言えるでしょう。
提携もしていないリクイディティプロバイダーのロゴなどをサイトに掲載するというのはさすがにないでしょう。
Tradeviewのリクイディティプロバイダー
Tradeviewは公式サイトでリクイディティプロバイダーのロゴを掲載しています。
なお、Tradeviewは提携しているリクイディティプロバイダーの数が多いという事で知られています。
引用元:Tradeview
AXIORYのリクイディティプロバイダー
AXIORYの公式サイトでもリクイディティプロバイダーのロゴを掲載しています。
主要なリクイディティプロバイダーと提携していると言えるでしょう。
引用元:AXIORY
TitanFXのリクイディティプロバイダー
TitanFXも公式サイトでリクイディティプロバイダーのロゴを掲載しています。
引用元:TitanFX
BigBossはPrimeXMと提携
BigBossの場合はリクイディティプロバイダーのロゴは公式サイトにないですが、PrimeXMというアグリゲーターと提携しています。
アグリゲーターとは多くのリクイディティプロバイダーの価格を集約(アグリゲート)し、トレーダーの注文とマッチングをさせるブローカーです。
つまり、アグリゲーターと提携しているということは、トレーダーの注文をインターバンクで処理できる環境が整っているということが言えます。
引用元:BigBoss
注文がインターバンクで処理されるかどうかは謎
公式サイトでリクイディティプロバイダーやアグリゲーターのロゴがあることで、トレーダーの注文をインターバンクで処理する環境が整っていることは間違いないでしょう。
しかし、トレーダーの注文がインターバンクで処理されるかどうかというのは内部の人間にしか分かりません。
よくいわれているのは、A-bookでも顧客によって注文処理の方式を変えるというやり方です。
・トレードの成績がとても良いトレーダーはNDDで処理
・負ける確率が高いトレーダーはディーリングデスクで処理(注文を呑む)

なるほど~
私みたいなヘタなトレーダーの注文は自社で呑んで、トレードが上手な人の注文はインターバンクにそのまま流して手数料だけもらうってことね。

そのとおりだね。
ただこれってとても合理的だよね。
95%の人がFXで負けるわけだから、全ての注文をインターバンクに流す必要はないよね。

私たちにとっては注文がインターバンクに流されようが、ディーリングデスクで処理されようが関係のないことですね。
大事なのは利益が出た場合はしっかりと出金ができることなので、DD方式とNDD方式の混在は私も大賛成です。

DD方式だけしかないブローカーは、利益を出すトレーダーの口座を凍結するという手段しかないけど、NDD方式の環境が整っているブローカーであれば、利益を出すトレーダーの注文だけインターバンクに流せばいいだけだね。
NDD方式で出金拒否や口座凍結がない理由
DD方式(B-book)が利益を出しまくるトレーダーの口座を凍結する理由は、トレーダーの利益がそのままブローカーの損失になるからです。
しかしNDD方式(A-book)の場合は、トレーダーの注文をインターバンクで処理する環境が整っているため、利益を出しまくるようなトレーダーの注文はインターバンクで処理すればいいだけです。
そのためNDD方式では利益を出せたからという理由で出金拒否や口座凍結をされるという心配はありません。
海外FXのおすすめA-book(NDD業者)
海外FXには豊富なボーナスもありますが、スキャルピングの制限や取引ロットの制限に縛られ、出金拒否を気にしながらトレードをするのは辛いものがあります。
海外FX歴13年の管理人が現在利用している海外FX業者、自信を持っておすすめするA-bookはこちらです。
TitanFX
TitanFXは少額入金でNDD環境を利用できることから、XMやGEMFOREXからの乗り換えで利用する人がとても多いおすすめの海外FX業者です。
TitanFXにはボーナスキャンペーンは一切ありませんが、トータルのスペック面では最も使いやすいおすすめの海外FX業者です。
AXIORY
AXIORYは完全なNDD業者というだけでなく、投資家とブローカーの紛争を解決する第三者機関にも加盟しています。
また、公式サイトで約定スピードやスリッページ率などのデータを公開するなど、とにかく情報開示が積極的で、投資家目線で運営がなされていることが伝わってきます。
さらに2020年10月から、最低入金額が5,000円に改定されたため、少額でインターバンク直結のトレード環境を利用できるようになりました。
BigBoss
DD方式とNDD方式のいいとこどりをしているのがBigBossです。
時々入金ボーナスキャンペーンを開催することから、おそらくNDD方式とDD方式を使い分けていると思われます。
PrimeXMとの提携により、トレーダーの注文をインターバンクで処理することができるせいもあり、BigBossで出金拒否をされたり、口座凍結をされたという話は今まで聞いたことがありません。

BigBossといえば、スキャルピングプロトレーダーの及川圭哉氏が利用していることが知られているね。
特大ロットでスキャルピングをやっているプロトレーダーがしっかりと利益を出金できていることも安心要素の一つだね。

私はAXIORYとBigBossの両方を使っていますが、約定の強さに関してはBigBossのほうが上をいく感じがします。
それでいてボーナスがあるので、かなりメリットが多いブローカーだと思います。
かつては、BigBossのスプレッドが広いということが言われていましたが、現在は取引ボーナスが常時もらえるため、1ロット往復取引で0.4pipsのキャッシュバックがあります。
これを考慮するとドル円スプレッドが0.8pipsなので、スプレッドは狭いということが言えるでしょう。(取引手数料込み)
Tradeview
スプレッドの狭さだけを考えるとTradeviewが最も狭いですが、スペック面ではTitanFXのほうが圧倒的に利用しやすいということがいえます。
Tradeviewは公式サイトの日本語化が不十分なので、TitanFX、AXIORY、BigBossと比較してしまうと、かなり使いずらいということがいえるでしょう。
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